けものフレンズ 元ネタ映画 考察まとめ

元ネタとしては公式は否定 SFテンプレを現代アニメに昇華

ジャパリパークを舞台に可愛い動物キャラ「フレンズ」達がひしめく異色の3DCGアニメ「けものフレンズ」。

ほどよくゆるい雰囲気とサーバル達の愛らしいしぐさとは裏腹に、主人公のかばんちゃんや寂れた遊園地、謎の敵セルリアンなど、ジャパリパークの世界には大きな謎が隠されているようだ。

ツイッターをはじめとして、ネット上では「けものフレンズ」の世界観や舞台設定、元ネタや今後の展開やラストに関する考察など、様々な解釈や予想が飛び交っている。

細かい考察や解釈についてはネタバレの危険があるので説明を避けるが、ここでは「けものフレンズ」の元ネタ候補として一時ツイッターで注目を集めた映画作品「ドクター・モローの島」について簡潔にまとめてみたい。

ドクター・モローの島(モロー博士の島)

「けものフレンズ」との関係性が囁かれた映画作品「ドクター・モローの島」は、「SFの父」と称賛されるイギリスの小説家H・G・ウェルズによる1896年の小説「The Island of Dr. Moreau」が原作。

1933年に映画化されて以来、1977年と1996年にリメイクされている。1996年版については「D.N.A.」という邦題で公開され、ソフト化の際に「ドクター・モローの島」とサブタイトルが付加された。

ある島に漂流した主人公は、そこで動物の人間化実験を行っていたマッド・サイエンティスト(狂科学者)のモロー博士とその助手に出会う。

モロー博士と助手は命を落とし、その島でたった一人の人間となってしまった主人公は脱出に成功するも、島で見た凶暴な獣人たちの姿がトラウマとなり、周りの人間たちもいつか獣と化すのではと不安に苦しんでいく。

けものフレンズとの関係は?

さて、肝心の「けものフレンズ」と「ドクター・モローの島」の関係性についてだが、いくつか共通点・類似点を列挙すると次のとおり。ネタ気味なものもあり。

主人公のペットがサーバル

1977年版「ドクター・モローの島」では、主人公のアンドリュー・ブラドックを演じるマイケル・ヨークがペットのサーバルを抱きかかえるシーンがある。

白髪のモロー博士と助手

けものフレンズの「じゃぱりとしょかん(図書館)」では、白い羽の博士(アフリカオオコノハズク)と茶色い羽の助手(ワシミミズク)が登場。

これは「ドクター・モローの島」における白ひげのモロー博士と助手を彷彿とさせる。

舞台が島

けものフレンズの舞台「じゃぱりパーク」は、海底噴火によって誕生した島に存在している。ドクター・モローの実験場も島(大陸はすべて大きな島とも言えるが)。

デス博士と口調の「です」

SF作家のジーン・ウルフ(Gene Rodman Wolfe/1931-)は、「モロー博士の島」に影響を受けた作品「デス博士の島」シリーズを執筆している。じゃぱりパークの博士たちの口癖は「~です」。

コンセプトデザインの吉崎氏は否定

けものフレンズにおける世界観やキャラクターのコンセプトデザインを手がける吉崎 観音(よしざき みね/1971-)は、「元ネタ」として「ドクター・モローの島」が挙げられることをツイッターで明確に否定している。

ここで問題になるのは、「元ネタ」という言葉の定義が人によってその広さが異なると言う点。あたかも右から左へ単純に引用したりパロディのような関係を「元ネタ」と言うこともあれば、ベースとなる概念を消化し化学変化を起こして別の次元へ昇華させた作品についても「元ネタ」として言及される場合もある。

たとえば、「ガールズ&パンツァー GIRLS und PANZER」の場合では、サブキャラ達の名前や西部劇、観覧車など、「ここから持ってきました」と明確に分かるパロディやオマージュがあふれており、この場合は「元ネタ」と紹介しても違和感はないだろう。

「けものフレンズ」については、確かに、部分的に抜粋すれば「ドクター・モローの島」との類似性を見出すこともでき、実際に吉崎氏も同作品をよく知っていることからしても、両者が全くの無関係・無影響の関係にあるとは断言し難いかもしれない。

だが、それはあくまでも断片的(でやや強引な)共通点であり、「元ネタ」という言葉を用いるには若干距離感があるように思われる。

過去のSFテンプレを現代アニメに昇華

やはり「けものフレンズ」は、H・G・ウェルズが生み出したSFテンプレを現代アニメとして消化・昇華した別次元の作品であるというべきだろう。ベースの概念として影響を受けたSFテンプレも決して一つだけではないはずだ。

H・G・ウェルズは小説「タイムマシン」でも有名だが、SF界でテンプレと化したタイムマシンの概念について、今さら「ドラえもんの元ネタだ!」などと騒ぎ立てる必要がないのと同じような感覚ではないか。

また、吉崎氏は「ケロロ軍曹」原作者としても知られるが、これについてH・G・ウェルズの小説「宇宙戦争」が「元ネタ」だと言及されることも今更ないだろう。

ただ、本稿執筆中の第8話(ぺぱぷ登場回)放送時点において、「けものフレンズ」と「ドクター・モローの島」が完全に無関係・無影響と断言してしまうにはまだ時期尚早感は否めない。

吉崎氏もツイッターで「元ネタがあるかないかも今はネタバレになっちゃうので、この辺のお話はまた後でしますねー。」とお茶を濁している。

過去のSFテンプレが現代アニメでどのように昇華され、どんな世界が創造されていくのか、フレンズ達とかばんちゃんの今後の旅の行方やいかに。

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