コルサコフ「シェヘラザード」
Rimsky Korsakov - Scheherazade
浅田真央/2011-2012 SP ショート使用曲
コルサコフ『シェヘラザード(シェエラザード)』は、中世イスラムから伝わるアラビア語の説話集「アラビアンナイト(千夜一夜物語)」の語り手、シェヘラザード(シャハラザード、シェエラザード)の物語をテーマとした作品。
4つの楽章から構成されるが、特に第3楽章「若い王子と王女」ト長調のクラリネットによる主題が有名。この楽章以外にも、シェヘラザードを象徴する独奏ヴァイオリンの主題が全楽章でみられる。
フィギュアスケート定番中の定番
フィギュアスケート選手の浅田真央(あさだ・まお)が2011-2012年のショートプログラム(SP)曲『シェヘラザード』は、以前から実力ある女子フィギュアスケート選手によって使用されてきた。
伊藤みどりが1990年の世界選手権でLP(フリー)に使用し準優勝、2002年にはミシェル・クワンが同じくフリーでソルトレイクシティオリンピックに出場し銅メダルを獲得。
また、安藤美姫がショートプログラムで使用し2007年の世界選手権女王に輝いたほか、金妍兒(キムヨナ)が2009年の世界選手権女王になった際も同曲が用いられていた。さらに2010年バンクーバーオリンピックでは男子のエヴァン・ライサチェクがフリーで金メダルを獲得している。
コルサコフとは?
『シェヘラザード』が作曲された1888年当時のコルサコフは、その生涯のうちで黄金期とも言える時期を迎えており、『スペイン奇想曲』、『ロシアの復活祭』序曲などの代表作はこの頃に作曲されている。
リムスキー=コルサコフ(Rimsky-Korsakov/1844-1908)は、色彩感あふれる管弦楽曲や民族色豊かなオペラを数多く残したロシアの作曲家。
代表曲は、1887年作曲の『スペイン奇想曲』Op.34、間奏曲「熊蜂の飛行」が特に有名なオペラ『皇帝サルタンの物語』、1888年作曲の序曲『ロシアの復活祭』 Op.36 などが知られている。
コルサコフの作品については、こちらのサイトの特集「コルサコフの有名な作品・代表曲 解説と試聴」を参照されたい。