徹子の部屋 テーマ曲に歌詞があった?

作曲:いずみ たく/出演:黒柳徹子/テレビ朝日系 トーク番組

1976年2月から続くテレビ朝日系列の長寿番組「徹子の部屋」(てつこのへや)。女優・黒柳徹子が司会・インタビュアーを務め、毎回様々なゲストが登場し話題を集める異色のトーク番組として長い人気を集めている。

「徹子の部屋」の30年 あの名場面をもう一度

「徹子の部屋」オープニングには、『徹子の部屋のテーマ』という曲名の番組オリジナルテーマ曲が流れる。「ルールル ルルル♪」と女声によるスキャットが続くだけで歌詞は歌われず、非常にシンプルなオープニングテーマ曲となっている。

スキャットだけで歌詞がないように思われる『徹子の部屋のテーマ』だが、実は短めだが確かに歌詞が存在する。実際には「実は」というほどのものではなく、同番組内で2006年4月に初披露されたほか、他のバラエティ番組でも歌詞の存在について大きく取り上げられているので、ご存じの方も少なくないだろう。

即興音楽劇のテーマ曲だった

かつて黒柳徹子はソプラノ歌手島田祐子と二人で即興コンサート「即興音楽劇」に出演していた(昭和51年1月頃)。同作では『二重唱のテーマ』がテーマ曲として使われていたが、昭和51年2月にテレビ新番組「徹子の部屋」がスタートするにあたり、同曲がテレビ番組のテーマ曲としてアレンジされ転用された。

『徹子の部屋のテーマ』には歌詞がないが、原曲には歌詞が付いていた。その内容は、「高い声を出すときは寄り目にならないように」から始まり、ワサビ・カラシ・コショウなど喉を刺激する食べ物は避け、タバコは控えて、でもお酒はやめられない、といった他愛のないもの。ソプラノ歌手の島田祐子が出演していたからか、発声に関する内容となっている。

まるで中高生がその場のノリで作った替え歌のような自由な内容の歌詞だが、調べてみると作詞者はなんと山川 啓介(本名・井出 隆夫)というから驚き。山川氏は『太陽がくれた季節』、『聖母たちのララバイ』、『北風小僧の寒太郎』など数多くの有名曲の作詞を手掛けた言わずと知れた大御所だ。

ちなみに作曲者は、『ゲゲゲの鬼太郎』、『見上げてごらん夜の星を』、『いい湯だな』などを手掛けた いずみ たく(1930-1992)。

2006年に番組内で歌詞が初披露

「徹子の部屋」テレビ放送開始から30年後の2006年4月26日、この日のゲストはかつて黒柳徹子とコンサートで共演していたソプラノ歌手の島田祐子。30年ぶりの同窓会がテレビ番組上で実現した。

当時の懐かしい話に花を咲かせたのち、二人は30年前の記憶を手繰り寄せるように、テレビでは一度も公開されなかった幻の『徹子の部屋のテーマ』歌詞ありバージョンを歌い上げ、番組を締めくくった。都市伝説とさえ吹聴された番組テーマ曲の歌詞がようやくテレビ上でその姿を現した歴史的瞬間だった。

2011年10月には特番「徹子の部屋ゴールデン2時間スペシャル」で、この歌詞付『徹子の部屋のテーマ』が再び取り上げられ、番組のエンディングで黒柳徹子とゲストにより改めて披露された。30年も前の即興コンサートで歌われたテーマ曲が時代を超え形を変えて、21世紀のテレビ番組テーマ曲として歌い継がれているのはなかなか感慨深いものだ。